『聖と俗、夢と現、これら相反するものの狭間を彷徨う「こころ」。
天と自然と人、これらを繋ぎ、通じ合わせている「ちから」。
独り善がりな考え方かも知れませんが、古(いにしえ)からの日本の美術・文化には、
この「こころ」と「ちから」が表立たない要素として含まれているように思えます。
あまりにも抽象的な要素ですが、これらに魅了されて止みません。
うつろな「こころ」と神々しい「ちから」を白い平面の中に閉じ込めてみたい。
到底、叶いそうにない絵空事ですが・・・。そのような夢を見続けています。』
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これは30年ほど前の初個展の折に案内状に載せた文章ですが、
その後の数多の試行錯誤、自問自答を経てきた現在においてもなお、
根底的な希求として、この夢を見続け、そして、営々と追い求めております。
奥山 忠